安全の取り組み

2. 安全計画2023

 「JR北海道 安全の再生」を基本方針として、「事業改善命令・監督命令による措置を講ずるための計画」と「安全投資と修繕に関する5年間の計画」の考え方を基本に安全の再生の取り組みを継続することで、重大事故、重大労災、危険事象の再発防止・未然防止対策に取り組みます。

安全意識を高め、命を守るために取るべき行動の定着

 常に「安全第一」で行動できるよう、現場第一線から経営トップまで、社員一人ひとりの意識を醸成する取り組みを行います。
 また、鉄道の安全の基本は「ルールを守る」ことです。私たちは過去の反省の上に立ち、安全のルールを絶対に守るというコンプライアンス意識の徹底に取り組みます。
 さらに、普段はもちろんのこと、何かあった時に的確な判断と行動ができるよう、対応力を高める取り組みを行います。

主な取り組み

安全意識の醸成
膝詰め対話(現場社員と経営幹部の意見交換)

 社内に安全風土を醸成することを目的として、経営幹部が現場に出向いて現場社員との意見交換を行い、安全に関する会社の考え方や経営状況などを直接説明しています。

膝詰め対話

「安全再生の日」の取り組み

石勝線列車脱線火災事故を発生させた5月27日を「安全再生の日」に制定し、全職場で「JR北海道 安全の再生」に記載していることについてディスカッションを行うなど、風化させない取り組みを行っています。

安全研修館と安全研修

 石勝線列車脱線火災事故、函館線大沼駅構内貨物列車脱線事故及び線路未補修、検査データ改ざんなどの一連の事故・事象を踏まえ、社員の安全意識を継続して高め、安全を最優先とする企業風土を醸成するため、社員研修センター内に「安全研修館」を開設しています。
 「安全研修館」では「安全研修」を実施し、一連の事故・事象を振り返るとともに、「JR北海道 安全の再生」をはじめとする当社の安全の考え方を理解し、「安全」とは「お客様の命・社員の命を守ること」という「安全意識」の醸成を図っています。
 あわせて、安全の大前提である「絶対に守るべき安全の基準」を維持するという「安全のルールを守るコンプライアンスの意識」の醸成を行っています。

安全研修

石勝線列車脱線火災事故の展示

函館線大沼駅構内貨物列車脱線事故の展示

過去の事故事例の展示

事故と事象の報告制度の更なる定着

 危険の芽を見逃さないために、列車の遅延や運休に関係なく発生した全ての「事故」「事象」を報告する制度の更なる定着を図ります。
 この報告制度は、ありのままを報告する文化を醸成するため、事象(故意または重大な過失によるもの等を除く)は原則処分の対象としない、非懲罰的な制度としています。

安全のルールを守るコンプライアンス意識の醸成
コンプライアンス教育

 一人のルール違反の行為が、会社の信用失墜・安全を損なうことにつながることを教育することで再発防止を図ります。

「保線安全の日」の取り組み

 函館線大沼駅構内での貨物列車脱線事故及び線路未補修・検査データ改ざんを風化させないため、事故発生日の9月19日を「保線安全の日」として制定し、安全講話、事故事例紹介などの取り組みを行っています。

保線安全の日の講話

「危ないと思ったらすぐに列車を止めます」「現地の判断が最優先」の実践

 自然災害などの突発的な緊急時においても、命を守る判断と行動ができるよう、在来線及び新幹線において、現車やシミュレータを用いた訓練などを継続して実施し、緊急時対応力の向上を図ります。

津波避難誘導訓練

乗務員訓練用シミュレータ

列車防護の訓練