安全の取り組み

3. 冬期の安全確保の取り組み

 当社は、厳しい冬の北海道においてもお客様に安心してご利用いただけるよう、冬に強い鉄道輸送をめざし、これまで様々な冬期対策に取り組んできました。今冬期においても、過去に発生した事故・災害を教訓として各種対策に継続して取り組み、安全の確保に努めます。

ポイント不転換防止対策

 「ポイント不転換」は、ポイントに氷塊や雪が介在することで、正常にポイントが動作できないことにより発生します。冬期の安全の確保には、このポイント不転換を防止することが重要となります。

圧縮空気式除雪装置

 圧縮した空気をポイント転換時等に吹き付け、介在する氷塊等を吹き飛ばし不転換を防止します。

【設置数】
在来線100箇所、新幹線47箇所、計147箇所

圧縮空気式除雪装置

融雪ピット

 ポイント下部にコンクリートで箱型の空間(ピット)を設け、降雪などを落とし込む構造にするとともに、ピットの底部に敷いたマットヒーターで融雪する設備です。

【設置数】
在来線67箇所、新幹線16箇所、計83箇所

融雪ピット

ピット内での融雪状況

マットヒーター

 ポイントのマクラギ間、特に雪が詰まることで可動不良になりやすい部分にマットヒーターを敷設し、ポイント部に堆積する雪や氷塊を融雪します。

【設置数】
在来線237箇所、新幹線15箇所、計252箇所

マットヒーター

防雪・除雪対策

防雪柵の設置

 暴風雪や地吹雪から線路を守るため、全道で総延長78,175m(平成30年度冬期)に防雪柵(仮設防雪柵含む)を設置しています。

防雪柵

降雪モニターカメラを利用した気象状況の把握

 無人駅や列車本数が少ない線区など降雪状況の情報収集が困難な場所や、札幌圏の重要な箇所において降雪状況を迅速に把握するため、降雪モニターカメラを設置し、保線所や駅、指令室にて監視することで、大雪や天候の急変に備えます。

降雪モニターカメラ

除雪機械の増備・取替による除雪体制の強化

 現在、当社は在来線118台、新幹線12台、計130台の除雪機械を所有しています。
 排雪モータカーロータリー・排雪モータカーについては投雪・走行能力の向上を図るため、計画的に新型機械への取替を行っています。

●排雪モータカー

モータカーの先頭部にラッセル装置を取り付け、線路上の雪を脇へ押しのけます。

●排雪モータカーロータリー

排雪モータカーにロータリー装置を取り付け、脇へ押しのけた雪を掻き寄せて遠くへ飛ばします。

●ラッセルモータカー

排雪モータカーの2台連結運転制御を可能とすることで、出力性能を向上させました。

予防除雪の実施

 側雪、堆積雪を計画的に搬出する予防除雪を行い、ポイント不転換の防止など輸送障害の防止に努めています。

予防除雪

バラスト飛散防止対策

 積雪時においては、車両に付着した氷塊や雪が列車走行中に落下し、線路上のバラスト(マクラギ下部に置かれている砂利)を跳ね上げる現象が発生します。このバラスト飛散現象を防止するために各種対策を実施しています。

床下機器カバー取り付け

 車両へ雪氷を付着しにくくするとともに、融雪時間の短縮を図るため車両の床下の機器にカバーを取り付けています。

床下機器カバー

バラストネットの設置

 トンネル内や駅構内および踏切にて、バラスト飛散を防止するためのネットを整備しています。

バラストネット