SL冬の湿原号

第2章 蒸気機関車の仕組みと機関士・機関助士

C11形機関車は、明治期の古いタンク機から21年ぶりに誕生した国産タンク機C10形の改良形として登場し、主に支線区の小単位列車の牽引を使命として、高速・高出力の性能を持った機関車として重用されていました。

SLが動く仕組み

①石炭を火室で燃やし、ボイラーの水を沸騰させ蒸気をつくる
②つくった蒸気を蒸気だめにためたあと、配管で加熱し、シリンダへ
③蒸気の圧力でピストンを動かす
④ピストンの動きを主連棒・連結棒で動輪に伝え、動輪を回転させる

記号の意味

すなわち、SL冬の湿原号を牽引するC11-171号機は 「動輪の数が3対、タンク機関車でC11型で171番目に製造された。」ということがわかります。

C11形式蒸気機関車 主要数値表

機関士・機関助士

機関士・機関助士・SL 三位一体

通常SLは機関士と機関助士で運転します。機関士は運転及び運行に関するすべての責任者。機関助士は火室に石炭をくべたり等、運転をサポートします。

SLは石炭を火室で燃やし、ボイラーの水を沸騰させ蒸気をつくってそれを動力として走ります。

ですから、SLの機関士になるためには、1級ボイラー技士の資格を持ってなくてはいけません。さらに、「甲種蒸気機関車運転免許」試験に合格して、はじめて運転台に座ることになります。

photo:2011年撮影

このカマ(機関車)は軽い割に動輪直径が大きく、空転しやすい…

石炭のくべ方にも熟練の技が求められる

SLは、機関士・機関助士・SLのすべてが協調してはじめて動き出します。ここでは、SLの心臓部である火室に石炭をくべる技術についてご紹介します。石炭を効率よく燃焼させ、最大限の動力を得るために、機関助士は運転中、以下の手順で火室に石炭を入れ続けます。

<投炭第1回目>

↑火室入口

火室

<投炭第2回目>

第1回から第二回の数字順に投炭を行い、1行程とする。

釧路~標茶間往復96.2㎞―
約1.5tの石炭をくべつづけなくてはならない機関士と機関助士、SLとの阿吽の呼吸で峠を越える
古より脈々と受け継がれてきた技術の見せ所

釧路発 SL冬の湿原号が釧路湿原駅を過ぎた頃、スピードがぐっと落ち、SLの鼓動がより激しさを増すポイントがあります。ここは、いわいる15/1000と呼ばれる急勾配の上り坂で、スピードの調整 が少しでも狂うと、車輪が空転してしまうことになります。この空転を避けるため、SLは速度を最適加減に落とし、車輪を少しずつ回転させてこの急勾配を乗り切るのです。機関士・機関助士の腕の見せ所とも言われるこのポイントは駅間で言うと、釧路湿原~細岡間。是非一度SLの鼓動に耳を傾けてみて下さい。

※画像はすべてイメージです。実際と異なる場合がございます。