JR北海道の仕事

工務の仕事とは?

工務は、鉄道車両以外の鉄道設備全般(線路・駅舎・機械設備・高架・橋・トンネル・踏切・電力設備・信号設備・通信設備など)に関する管理・保守・修繕・工事設計・工事発注・工事監督などを担当しています。そのため、日々の設備の点検から、高架工事のような大規模工事、更には、より効果的なメンテナンスの方法や安全性を高めるための装置の開発まで業務内容は多岐に渡ります。鉄道の安全、そして地域を支える公共インフラを、創り、支え、守り続けていく仕事です。

線路メンテナンスの仕事
線路メンテナンスの主な仕事は、線路や橋、トンネルなどの検査・保守・修繕、災害時の対応、冬期間の除雪などです。例えば、線路は列車を安全に走行させるためにミリ単位の精度での保守管理が求められますが、毎日何十本、何百本もの列車が通過するため少しずつひずみが生まれます。このひずみが大きくなると乗り心地が悪くなり、さらに大きくなると脱線の危険性が生まれます。また、季節による寒暖の差や地形・地質の違いなど自然環境にも大きく影響を受けます。そこで、計測装置を使用した線路の検査、徒歩や列車に乗車しての巡視などを定期的(数日に1回、線区ごとに決められている)に行い、線路の状態を把握して、修繕やレール・マクラギの交換作業などの整備を行うことで、常に安全な線路を作り上げます。
電気メンテナンスの仕事
電気メンテナンスには大きく2つの系統があります。1つは、電車を動かすための電気設備や駅などの電灯設備を保守・管理する強電系で、変電設備や架線(電車に電気を送り込むための電線)の点検、架線切断時の対応などを行います。もう1つは、鉄道用の信号設備、通信設備の保守管理を行う弱電系で、踏切や鉄道信号機の点検、信号制御回路の動作確認などを行います。いずれにしても、電気という目に見えない力を動力や制御装置として活用し、安全安定輸送の重要な部分を担っています。
工務部の仕事
工務部は、鉄道インフラの保守管理・設計等を行っています。特に、北海道という積雪寒冷地の厳しい自然環境との戦い、長大な海底トンネルである青函トンネルを維持管理し北海道と本州を繋ぐ大動脈を守るという、他社にはない特徴があります。
保線業務では、30℃を超える厳しい暑さの中でも、-20℃を下回る厳しい寒さや豪雪の中でも、ミリ単位の精度で安全かつ乗り心地の良い線路をつくりあげる仕事を行います。
建築・機械設備の管理・設計業務では、エレベータやエスカレータ、出改札設備の設置といったお客さまにやさしい駅舎づくりをする仕事を行います。
土木構造物の維持管理・設計業務では、耐震工事、トンネルや橋りょうの点検、維持管理、新たな高架化事業の設計など、新しい街をつくる仕事もしています。
また、駅移設工事や高架化事業等の大きなプロジェクトについて、工事設計・発注・施工管理も行っています。
電気部の仕事
電気部は、電気メンテナンス業務(現業機関)の経験を生かしながら、鉄道の安全安定輸送の中核となる電気・信号・通信分野において、設備の保守、管理、新設の計画、メンテナンス技術の向上を担う部門です。
具体的には現場のフォロー、技術向上のための施策、各種工事(架線取替、信号機取替など)やプロジェクト工事(新幹線工事・電化工事など)の設計、管理、監督などを行っています。

TOPICS

工務の技術を紹介します!

北海道新幹線の大きな特徴として、まず三線軌条が挙げられます。三線軌条とは、新幹線と在来線貨物列車が同一の線路を使用して共用走行するために三本のレールを並べて敷設したものです。開業した149kmの区間のうち、半分以上の82kmがこの三線軌条となっています。三線軌条の区間では通常二本のレールのところを三本のレールがあることから、レール締結装置等の部材が多くなり、分岐器も複雑になること、更には新幹線と貨物列車の両方が通過するレールと新幹線だけが通過するレール、そして貨物列車だけが通過するレールと三本のレールがそれぞれバラバラに摩耗していくことになり、ミリ単位の精度で保守する上で非常に高度な技術が求められます。 そのほか、三線軌条であるがための特有の装置として、落下物などを検知する「限界支障報知装置」、レール破断を検知するための「レール破断検知装置」、異なる変電所から供給される電気をスムーズに切り替えるための「車軸検知式き電区分制御装置」といった、他の新幹線で導入していない装置が導入されており、より高度なメンテナンスが求められています。
北海道新幹線の大きな特徴の2つ目として、北海道の厳しい自然環境の中で運行することが挙げられます。本州では降雪対策として、散水消雪方式(スプリンクラーで水をまき雪を溶かす)が採用されていますが、北海道の冬の寒さでは、水が凍るおそれがあるため採用できません。このため、線路脇に雪を貯めることができる「貯雪式高架橋」や、雪を下に落とすことができる「開床式高架橋」を採用しています。また、低温の北海道では、氷塊や雪が分岐器(ポイント)部分に挟まり転換ができなくなる事象が発生します。これを防止するため分岐器(ポイント)部分にある氷塊や雪を圧縮空気で除去する「圧縮空気式除雪装置」や、分岐器の下部に深さ30cmのピットを設け、氷塊や雪をピットの中に落とし、ピット内で溶かし排水する「分岐器融雪ピット」を採用しています。「圧縮空気式除雪装置」と「分岐器融雪ピット」は当社の在来線で実績があることから、新幹線で初めて採用されています。そのほか、除雪用機械についても、三線軌条に合わせた特殊な形状のフランジャーを搭載しており、冬季における新幹線の安全運行を支えています。

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