安全性向上のための取り組み

(1)改ざんの根絶

①社内におけるコンプライアンスの徹底

JR北海道グループでは、グループで働く全ての社員が「お客様の安全・安心を最優先にする」という使命感を持ち、地域社会の一員であることを意識してコンプライアンスを始めとするJR北海道グループ企業行動指針に則した行動が取れるよう、集合研修や社内イントラネットでの情報発信などコンプライアンス意識向上に向けた新たな取り組みを実施しています。また、社内及び社外に設置している「JR北海道グループコンプライアンス相談窓口」への相談方法も、匿名による相談を受け付けるなど、よりコンプライアンスの徹底に向けた取り組みを進めています。

〈コンプライアンスの徹底に向けた主な取り組み〉

コンプライアンス教育の見直し

社外のコンプライアンス関係の専門家のコンサルティングを受け、新たなコンプライアンス研修を実施していきます。

〈具体的な取り組み内容〉

・保線講演会

検査・修繕のルールを守ることの大切さ、安全で快適な線路を提供する業務の基本や心構えを伝える

・現場長・管理者研修

職場でのコンプライアンス徹底に必要な知識や意識の共有、職場内講習で討議をするための進行要領を習得

・eラーニング

社長メッセージDVD視聴、コンプライアンス・職場倫理の重要性を伝え、立ち止まって正しい判断ができる視点・意義を習得

・職場内講習会(討議形式)

保線講演会DVD視聴、鉄道事業者として大切にすべき職場の慣行等について討議し、職場倫理観を共有

会社幹部へのコンプライアンス教育の実施

社外講師により勉強会等を実施し、経営幹部がコンプライアンス徹底の必要性についての認識を共有します。

〈具体的な取り組み内容〉

・役員・部長等勉強会

コンプライアンスに関する基礎知識、他社事例及び自社事例についての討議・解説

・危機管理広報勉強会

危機事象発生時の広報対応、今後の企業経営・信頼回復にあたっての危機管理等についての討議・解説

・社外の有識者・実務者を招いた講演会

・トップマネジメント研修

危機状況下における風土改革に向けたマネジメント等について他社事例を踏まえて討議・解説

グループ会社を対象としたコンプライアンス教育の実施

JR北海道グループコンプライアンス相談窓口の改善及び周知徹底

保線講演会

保線講演会

eラーニング

eラーニング

JR北海道グループコンプライアンス相談窓口

JR北海道グループ
コンプライアンス相談窓口

②安全意識の徹底及び安全知識の向上に関する職員教育体制の再構築

安全研修

過去の重大な事故や災害を教訓として学びとり、共有することを目的として、平成19年5月に社員研修センター内に過去の重大事故に関するCAI教材やパネル展示を配置した安全研修室を開設しました。その後、平成24年4月には、避難はしご設置体験設備及び煙道体験装置を設置し、平成25年4月には石勝線列車脱線火災事故の焼損車両の一部を社員研修センター内の保存庫内に移設しました。

これらの設備を活用し、事故を風化させないための取り組みの一環として、平成25年5月から全社員を対象とした安全研修を行っています。このほか苗穂工場及び函館支社では、作業現場で起こりうる事象を模擬体験できる安全道場を開設し、新入社員など各教育に活用しています。

※CAI:コンピュータ支援教育(Computer Aided Instruction)

車両保存庫

車両保存庫

安全研修室

安全研修室

煙道体験装置

煙道体験装置

避難はしご設置体験設備

避難はしご設置体験設備

安全道場

安全道場

過去のトラブル等を参考とした安全性向上のための取り組み

JR他社の事例も含めて、事故の概要だけではなく、「最悪の場合にはどのような事態が考えられるか」「そのような事態を未然に防ぐために定められている規程、ルールや指導事項にはどのようなものがあるか」を具体的に明記するなどした事故事例集を作成し、駅や運転所、保線所などの各職場で勉強会を実施していきます。

膝詰め対話

当社が目指す安全について現場第一線の社員が理解し、安全風土を社内に醸成することを目的に、経営幹部が安全をテーマに、全職場で「膝詰め対話」を実施しています。

「膝詰め対話」で、経営幹部は、安全風土について自らの言葉で語り合い、現場第一線の社員と経営幹部との意志疎通を積極的に図ります。

会社幹部と現場社員との膝詰め対話

会社幹部と現場社員との膝詰め対話

③記録を重視するルールの策定及びその徹底

規程等の見直し

軌道部門では、木マクラギの管理方法の統一化、木マクラギの不良状態の判定基準、交換基準の明確化などを、車両部門においては、請負業者の選定基準の明確化など、これまで曖昧であった基準を明確に規程等に表記するように定めました。また、お客様の安全を第一とするため、軌道変位等に対する運転規制値を制定しました。

運転規制値のイメージ図

運転規制値のイメージ図

④改ざんを防止する作業環境の整備

ダブルチェック体制の構築

軌道部門において軌道変位に関する検査および補修作業の結果について多重チェックを実施しているほか、車両部門においても重大な事故につながる可能性が高い事象に関わる装置及び蓋等を取り付けることで後に検査が出来なくなる装置を主体に「安全」に関わるチェック項目を抽出し、ダブルチェック体制を実施し、トレースを行っていきます。

高速軌道検測車のシステム改修

平成26年度より、検測車内に搭載している演算装置の改修を行い、全ての軌道の変位(軌間・水準・高低・通りなど)を自動的に処理できるようにしました。

高速軌道検測車(外観)

高速軌道検測車(外観)

高速軌道検測車(内観)

高速軌道検測車(内観)

簡易型軌道検測装置(トラックマスター)の整備

平成26年3月にこれまで使用していたトラックマスターを改良した新型トラックマスターを18台配備しました。この新型トラックマスターは、検測中に検査データをタブレット端末へ無線送信し、データを記憶するとともに、現地でデータの確認ができます。また、検測したデータが基準値を超えていた時には、タブレット端末から警報音を発すると共に、設定した値を超えたことが画面に表示されます。

トラックマスター

トラックマスター

記録装置(プリンタ)付きデジタル標準ゲージの整備

自動計算機能や測定データの記憶機能を備え、専用の記録装置により現地で測定データを出力することのできるデジタル標準ゲージを平成26年4月までに各保線現場へ配備しました。

また、軌道関係のグループ会社にも配備を予定しています。

記録装置付きデジタル標準ゲージ

記録装置付きデジタル標準ゲージ

⑤改ざんが行われた場合における厳しい処分環境の整備

就業規則等の見直し

「鉄道の安全運行に必要な数値またはデータを不正に変更する行為を行った場合」が懲戒の対象となること、「故意に鉄道の安全運行を阻害する行為を行った場合は厳しく懲戒する」ことを明確にするため、就業規則を変更しました。また、今後は、個別に事象を見極めたうえで、悪質な改ざんについては、直ちに行政・司法当局に通報・告発等を行います。